タンパク質を効果的に摂取する方法
タンパク質は、人間にとって欠かすことの出来ない栄養素です。
しかし現代人はタンパク質が足りていないと言われています。
どの世代も年々摂取量が減少しています。
おそらく、健康志向により肉・魚類を食べるのを控え、野菜中心の食事をする方が増えたからと考えられます。
しかし、健康を考えた場合、肉・魚類を控えることはむしろマイナスになる可能性が高いことを知っていただきたいと思います。
なぜなら、人間にとってタンパク質の摂取は不可欠だからです。
タンパク質の役割
タンパク質には様々な役割があります。
タンパク質の摂取量が不足すると、筋肉を分解してアミノ酸を作り、それを元に必要なタンパク質を合成します。
そのため、筋肉量が減少し、高齢者では転倒などのリスクが高まります。
また、美容の面においても爪や髪の毛、肌の新陳代謝が鈍くなるので、爪がわれやすくなったりツヤがなくなる、髪の毛が細くなったり抜けやすくなる、肌がくすむなどのトラブルが起こります。
それだけでなく、性ホルモンの減少、神経伝達物質の減少や免疫力の低下にも関わってきます。
日頃のタンパク質摂取不足がさまざまなトラブルを起こし、病気の引き金となることがあります。
しかし、タンパク質をむやみにたくさん食べれば良いというものでもありません。
タンパク質の限界
たんぱく質は人にもよりますが、だいたい30g以上食べると消化吸収のキャパを超えてしまいます
生肉100gのうち、約半分がタンパク質ですが、火を通すとさらに半分に減るのでおよそ25gがタンパク質と言われています。
ステーキを200g以上食べても、タンパク質50gがそのまま体の材料になるわけではありません。
余った分はエネルギーとして燃えてしまうか、消化不良を起こすか、吸収されずに排泄されるか、グルコースへ変換され脂肪として蓄えてられます。
余ったタンパク質がどんな顛末を迎えるかは、個人個人の代謝の違いにより異なりますが、
たんぱく質も脂質もうまく代謝できないと、とりあえず一旦プールされてしまうことがあります。
十分に食べていたつもりが、実は効率が悪かったなんてことがないようにしたいですね。
タンパク質を効率的に摂取する方法
皆さんはこんなことがないよう、日頃から以下のことに気をつけてみましょう
- 一食にたんぱく質は25gぐらいにとどめておくこと(個人差があります)
- 1日に体重あたり1.2〜1.6gのたんぱく質を摂ること(子ども、活動レベルの低い女性、高齢者、病人などはもっと必要)
- 一口30回は噛んで食べること
- 小分け頻回摂取で吸収率アップ
- 疲れやすさ、筋肉のなさ、爪割れ、髪のコシのなさ、むくみ、肌のハリがない、べんの匂いがきつい、口腔内のトラブルなどがないか
これは栄養指導でも特に重視している内容です。
血液検査でもたんぱく評価できる
あとは、血液検査データで数値的に判断しています。
- 総蛋白が7.5あればベスト。
- アルブミンが4.5あればベスト。
- AST/ALTが20〜30あればベスト。
- γGTPが20前後がベスト
- 尿素窒素が20ぐらいがベスト
これらの検査データは本来の読み方と違い、分子整合栄養療法独自の解釈なので、普通の健康診断や受診では指摘されることはありません。
腎機能や肝機能を表すデータなのに何でたんぱく質に関係あるの?と思うかもしれません。
でも、なぜこれらの項目がたんぱく質の代謝を表すのかを学ぶと至極納得です。
が、説明すると長くなるので別記事で解説します。
他にも、きちんとデータが揃えばいろんな栄養素の不足を予測することができます。
これからのダイエット指導
このように栄養カウンセラーは患者さんのたんぱく代謝を食事、体調、血液検査データなどから評価し、指導しています。
ただ、一般的な血液検査の項目だけでは情報不足すぎるので補助的な役割にもならないことが多いです。
また、血液検査データを扱うので本来は医療機関で行うべきことですが、栄養指導の場合は食事内容と体調だけでも有力な手がかりが得られます。
健康的な食事やダイエットをする上でたんぱく質の摂取と消化吸収が大切なのは当然ですから、これらを総合的に判断できるスキルはこれからの栄養指導には欠かせなくなるでしょう。
きちんと調べたい方は栄養解析をお勧めします。